心木あり瓦棒葺きの心木は腐ると危ない?

1950年代(昭和25年くらい)に開発された「瓦棒葺き」。
屋根材にトタンが使われていたことから「トタン屋根」と呼ばれていました。
現在はトタンではなく、ガルバリウム鋼板のような金属で施工されることが多くなりました。
「心木あり瓦棒葺き」は、写真のようにルーフィング(防水シート)の上に「心木」と呼ばれる角材を打ち付け、この心木に金属板を巻き付けて釘で固定していく工法です。
近年、心木あり瓦棒工法は減少傾向にあります。

〇軒から雨水を吸い込んで、瓦棒が腐食することがある
〇瓦棒が腐食すると、釘の固定力が弱まる
〇固定力が弱まると、強風で屋根全体がめくれて吹き飛ぶ可能性がある
〇金属系の屋根材はサビが発生する
〇サビが深刻化すると、最悪の場合は屋根材に穴が開く
〇金属系の屋根は遮音性が低い
そこで登場するのが「心木なし瓦棒葺き工法」!
「心木なし瓦棒葺き」は、心木を入れない通し吊り子に、両端を立ち上げた金属板の溝板を設置して、さらにキャップ(瓦棒包み板)をかぶせて仕上げる工法です。
三晃金属工業株式会社というメーカーが有名なため、「三晃式(さんこうしき)」とも呼ばれます。
心木がないことで、瓦棒が腐食するデメリットを回避するべく考案された工法ですが、内部が空洞になっているため、雪の重みなどでつぶれてしまうことがあります。吊り子の一部分がへこんでしまうとそこに雨水が滞留し、最終的にはサビて穴が開いてしまいます。

さらに進化したのが「立平葺き」!
「立平葺き」とは、「心木なし瓦棒」がさらに進化した現代の主流となっている工法です。
「ハゼ葺き」と「嵌合(かんごう)式」の2種類があり、それぞれ留め方が違います。
「ハゼ葺き」は2枚の金属板を一緒に折り曲げ、ひっかけ合わせます。
「嵌合式」は上と下のパーツをパチンとはめて固定します。
この工法は、心木がないので瓦棒が腐食する心配がなく、空洞がないのでへこんで雨水が溜まることもありません。



心木の腐食、強風による屋根材のめくれ、サビによる屋根材の穴あき・・・
これらの心配がない、海岸近くでも穴あき25年を保証しているスーパーガルバリウム鋼板の「デコジップ」に葺き替えをおすすめします!

備えあれば憂いなし。腐食が起こる前に対策を行おう!