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近年急増している訪問販売による屋根工事のトラブル。
国民生活センターによると、『屋根工事の点検商法』に関する相談件数は・・・
2018年度 | 923件 |
2019年度 | 1,157件 |
2020年度 | 1,824件 |
2021年度 | 2,352件 |
2022年度 | 2,885件 |
ここ5年で約3倍になってる!?
「屋根工事を契約してしまった」と問い合せがあったうち、70%以上が60歳代~80歳代だそうです。(2022年)
明日は我が身!悪徳業者に騙されない方法を知っておきましょう!
屋根修理詐欺で逮捕!
近年、屋根修理に関して逮捕される業者がニュースになっています。
みんなどんな風に騙されるんだろう。。。
ここ数年に逮捕された事案を紹介するね
埼玉県さいたま市
2023年1月
火災保険申請代行業や屋根など修繕工事の役務提供契約を締結した際、同役務の対価や提供時期など法令で定める事項が記載されていない書面を交付した疑い。契約書に記していた会社名は実体がなく、アルバイト男性の住所を記載していた。クーリングオフについても、赤枠内に赤字で書く義務を果たしていなかった。
逮捕された男性らは「火災保険を活用し無料で修理できます」などの謳い文句で訪問。火災保険を申請させ、支払われたお金は豊島区にある会社が集約していたと見られる。
埼玉県久喜市
2023年9月
クーリングオフなどの記載がない書面を交付したなどとして、特定商取引方違反の疑いで住宅リフォーム会社の社員2名が逮捕された。「近くで工事をしていたら屋根がひずんでいるのが見えた」と訪問営業をしていた。
神奈川県横浜市、川崎市
2024年1月
「修理をしないと屋根が飛ばされる」と嘘を言ってリフォーム代金をだまし取ろうとしたなどとして、詐欺未遂や建造物損壊、準詐欺容疑などで横浜市のリフォーム会社社長と元社員合計7人が逮捕された。社長は2023年1月にも逮捕されていた。
2022年1月
川崎市の会社が1年間の業務停止を命じられた。クーリングオフが出来るにもかかわらず、「クーリングオフは出来ない」「契約金額の40%の違約金を払ってもらう」などと、あたかも本件役務提供契約はクーリングオフが出来ないかのように伝えていた。「この状態だと雨漏りする」「すぐに工事をやった方がいい」「瓦をはがしたら中が全部だめでした。」「防水シートがこんなになっているから、防水シートの工事は絶対に必要です」など、あたかも訪問先の屋根の瓦や防水シート等が直ちに修理を必要とする不具合が生じているかのように告げていた。
千葉県船橋市
2023年5月
修理業者を装い屋根を破損させたとして、自称川崎市無職の男と、自称草加市無職の男が建造物損壊の容疑で逮捕された。「屋根が壊れている」などと言って屋根に上り板金を破損した疑い。
色々な手口があるね・・・
次は、やねかべマイスターに問い合わせがあった事例を紹介します
実際にあった問い合わせ事例 3つ
事例① わざと壊す
○棟板金をめくる、剥がす
○棟板金の釘を緩める、抜く
○屋根材を足で踏んで割る、剥がす、ずらす
本来修理の必要なんて無かったのに、わざと壊して『修理をしなくてはいけない状態』に。
こうなってしまうと、部分的にしろ修理をしなくてはならず、無駄な出費がかかってしまいます。
業者さんがこんな犯罪みたいなことを!?
そもそも修理業者じゃないのかも・・・
事例② 何もしていない修理
○意味のないテープを貼る
○必要のない箇所にコーキング(雨漏りの原因になる)
○棟板金に追加で釘を真上から留める(脳天打ちと言われ、雨漏りのリスクがUP)
意味のない又は必要のない処置を行い、あたかも修理したかのように見せるケース。修理は無料で行い、後日屋根全体の工事を促す場合もあります。
この事例で気をつけなくてはいけないのは、『雨漏りの原因を作ってしまう可能性がある』というところです。適切でない場所を塞いだり、打ってはいけない場所に釘を打つと雨漏りのリスクがUPしてしまいます。
業者さんなら詳しいからそんな間違えしないよね?
悪徳業者ではなくても、知識が不足している営業さん・職人さんは一定数存在するよ
事例③ 忠告だけする業者
○電柱工事以外に、「アンテナ工事」や「東京電力の方から来た」など色々なパターンがある
○「棟が浮いている」「屋根が取れそう」「軒先が欠けている」などと言う
○「修理した方がいい」と教えるだけで、何もせず帰っていく
最近よく聞く不思議な話です。
教えるだけなんて、本当に親切な人なんだわ
この広い世の中には、そういう親切な人もいるかも知れません。
しかし、なぜ屋根の専門業者でもない電柱工事や電気工事やアンテナ業者さんが、見ただけで屋根の状態を判断できるのでしょうか?
明らかに修理が必要な状態なら、お客様自身が『音や見た目』で気づくはず
このケースは屋根の工事を促すのが目的ではなく、
〇空き巣のための情報収集(人柄や家族構成など)
〇訪問販売業者に売るための情報収集
〇家主の気をそらし、その間に協力者が室内に侵入して金品を奪う
などが目的なのではと言われています。
訪問販売には『特定商取引法』がある!
屋根修理詐欺で逮捕された業者の多くは「特定商取引法違反」を犯していました
「特定商取引法」とは、消費者と事業者間のトラブルを対象に、
〇消費者の救済・保護
〇事業者の不適正な勧誘・取引を取り締まるための行為規制
〇トラブル防止・解決のための民事ルール
など、事業者の悪質行為を防止し、消費者の利益を守ることを目的として定めた法律です。詳しくは消費者庁のHPをご覧ください。
抜粋して説明するよ!
内容が難しいので、わかりやすい言葉に変えています
1. 事業者の氏名等の明示(法第3条)
事業者は、訪問販売をしようとするときは、勧誘に先立って、消費者に対して以下のことを告げなければなりません。
〇事業者の氏名(名称)
〇契約にあたって、勧誘をする目的であること
〇販売しようとする商品の種類
名刺がない業者なんて論外!
会社がきちんと存在しているかも大事だよ
3.書面の交付(法第4条、法第5条)
業者は、契約の申込みを受けたとき又は契約を締結したときには、以下の事項を記載した書面を消費者に渡さなければなりません。
①商品(権利、役務)の種類
②販売価格(役務の対価)
③代金(対価)の支払時期、方法
④商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
⑤契約の申込みの撤回(契約の解除)に関する事項(クーリングオフができない部分的適用除外がある場合はその旨含む)
⑥事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあたっては代表者の氏名
⑦契約の申込み又は締結を担当した者の氏名
⑧契約の申込み又は締結の年月日
⑨商品名及び商品の商標又は製造業者
⑩商品の型式
⑪商品の数量
⑫引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
⑤契約の解除に関する定めがあるときには、その内容
〇そのほか特約があるときには、その内容
⑬クーリング・オフの事項は赤枠の中に赤字で記載しなければならない
⑭書面の字及び数字の大きさは8ポイント以上であることが必要
やねかべマイスターの契約書には全て記載されているよ!(クリックで拡大)
4.禁止行為(法第6条)
特定商取引法は、訪問販売において以下のような不当な行為を禁止しています。
〇契約の締結について勧誘を行う際、又は契約の申込みの撤回(契約の解除)を妨げるために、事実と違うことを告げること
〇契約の締結について勧誘を行う際、故意に事実を告げないこと
〇契約を締結させ、又は契約の申込みの撤回(契約の解除)を妨げるために、相手を威迫して困惑させること
〇勧誘目的を告げない誘引方法(いわゆるキャッチセールスやアポイントメントセールスと同様の方法)により誘引した消費者に対して、公衆の出入りする場所以外の場所で、契約の締結について勧誘を行うこと
6.契約の申込みの撤回又は契約の解除(クーリング・オフ制度)(法第9条)
訪問販売の際、消費者が契約を申し込んだり、締結したりした場合でも、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、書面又は電磁的記録により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)ができます。
埼玉県HPの下の方に手続き方法が載ってるよ!参考にしてね
8.契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し(法第9条の3)
事業者が、契約の締結について勧誘する際、以下のような行為をしたことにより、消費者がそれぞれ以下のような誤認をすることによって契約の申込みやその承諾の意思表示をしたときには、その意思表示を取り消すことができます。
〇事実と違うことを告げられた場合であって、その告げられた内容が事実であると誤認した場合
〇故意に事実を告げられなかった場合であって、その事実が存在しないと誤認した場合
9.契約を解除した場合の損害賠償等の額の制限(法第10条)
リング・オフ期間の経過後、例えば代金の支払遅延等、消費者の債務不履行を理由として契約が解除された場合には、事業者から法外な損害賠償を請求されることがないように、特定商取引法は、事業者が以下の額を超えて請求できないことを定めています。
〇商品(権利)が返還された場合、通常の使用料の額(販売価格から転売可能価格を引いた額が、通常の使用料の額を超えているときにはその額)
〇商品(権利)が返還されない場合、販売価格に相当する額
〇役務を提供した後である場合、提供した役務の対価に相当する額
〇商品(権利)をまだ渡していない場合(役務を提供する前である場合)、契約の締結や履行に通常要する費用の額
これらに法定利率による遅延損害金の額が加算されます。
全部読むのは大変なので、困ったら消費者庁の『消費者センター』に電話で相談しよう!!
埼玉県の消費生活センターもあるよ