ここでは金属屋根材について説明するよ
金属屋根材は、大きく7つに分けられます。
- ガルバリウム鋼板、スーパーガルバリウム鋼板
- ジンカリウム鋼板
- 金属瓦
- ステンレス
- チタン
- トタン
- 銅板
ガルバリウム鋼板、スーパーガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板(GL鋼板)
1972年にアメリカのベスレヘム・スチール社によって開発された「ガルバリウム鋼板(GL鋼板)」。「55%アルミニウムー亜鉛合金めっき鋼板」の名称で、アルミニウム55%+亜鉛43.4%+シリコン1.6%で構成されています。
アルミニウムの耐食性・加工性・耐熱性・熱反射性と、亜鉛のガルバニックアクション(犠牲防食作用)を合わせもつため、使用環境により、従来の鋼板より約3~6倍の耐久性が期待できる優れた画期的な鋼板です。
1972年にアメリカのベスレヘム・スチール社によって開発された「ガルバリウム鋼板(GL鋼板)」。「55%アルミニウムー亜鉛合金めっき鋼板」の名称で、アルミニウム55%+亜鉛43.4%+シリコン1.6%で構成されています。
アルミニウムの耐食性・加工性・耐熱性・熱反射性と、亜鉛のガルバニックアクション(犠牲防食作用)を合わせもつため、使用環境により、従来の鋼板より約3~6倍の耐久性が期待できる優れた画期的な鋼板です。
Galvalumeの略でGL鋼板と呼ばれています。
スーパーガルバリウム鋼板(SGL鋼板)
「スーパーガルバリウム鋼板(SGL鋼板)」は、アルミニウム55%+亜鉛41.4%+シリコン1.6%+マグネシウム2%で構成された「ガルバリウム鋼板の進化版」です。亜鉛を2%減らし、マグネシウムを2%加えることでメッキ層を強化し、特に厳しい腐食条件下でより優れた耐久性を発揮します。
「スーパーガルバリウム鋼板」は、2010年に新日鉄住金グループが特許を取得し、2013年に商品化しました。※現在は日鉄鋼板株式会社が製造しています
「スーパーガルバリウム鋼板(SGL鋼板)」は、アルミニウム55%+亜鉛41.4%+シリコン1.6%+マグネシウム2%で構成された「ガルバリウム鋼板の進化版」です。亜鉛を2%減らし、マグネシウムを2%加えることでメッキ層を強化し、特に厳しい腐食条件下でより優れた耐久性を発揮します。
「スーパーガルバリウム鋼板」は、2010年に新日鉄住金グループが特許を取得し、2013年に商品化しました。※現在は日鉄鋼板株式会社が製造しています
Superior(上質な)・Special(特別な)・Super(超越した)+GL鋼板の略でSGL鋼板と呼ばれています。
- メンテナンスが楽
- 耐久性が高い
- 軽くて耐震性に優れている
- デザインが豊富
- 錆びにくい
- 初期費用が「スレート」や「アスファルトシングル」と比べると高め
- 他の素材と比べるとへこみやすい、傷つきやすい
- 塩分や酸性のチリ・ホコリによって腐食する
- 表面が熱くなりやすい
ジンカリウム鋼板
「ジンカリウム鋼板」は、オーストラリアのBluescope社が商標登録している鋼板で、「ガルバリウム鋼板」とほぼ同じものです。(ガルバリウムはアメリカのBethlehem Steel社が商標登録をしています)
しかし、日本では「ジンカリウム鋼板」と言ったら天然石粒仕上げとして認識されているようです。
「ジンカリウム鋼板」はアルミ55%、亜鉛43.4%、シリコン1.5%で「ガルバリウム鋼板」と配合が少し違うだけだよ!
- 石粒でコーティングしているので、傷がつきにくく紫外線やサビに強い
- カラーバリエーションとデザインが豊富
- 耐用年数30年以上
- 塗り替えの必要がない
- 表面の石粒が熱の伝わりを防ぐため、断熱性に優れている
- 軽量なので耐震性がある
- 防音性が高い
- 防火性が高い
- 表面の石粒が取れやすい
- 表面がデコボコしているので、ゴミやホコリが引っ掛かりやすい
- 断熱材一体型のガルバリウム鋼板と比べると、断熱性が劣る
- 値段がやや高め
金属瓦
「金属瓦」は、金属板にプレス加工やロール加工を施して瓦形状に成型したもので、瓦数枚分が縦や横につながって1枚の屋根材となっています。
重さはメーカーによって様々で、株式会社カナメのカナメルーフは土瓦と比べて13分の1、マックス建材株式会社のマックス瓦は日本瓦と比べて6分の1、と「金属瓦」は「陶器瓦」に比べて軽量に作られています。
素材も、「ガルバリウム鋼板(GL)」や「スーパーガルバリウム鋼板(SGL)」「チタン」などメーカーによって様々です。
「金属瓦」は、金属板にプレス加工やロール加工を施して瓦形状に成型したもので、瓦数枚分が縦や横につながって1枚の屋根材となっています。
重さはメーカーによって様々で、株式会社カナメのカナメルーフは土瓦と比べて13分の1、マックス建材株式会社のマックス瓦は日本瓦と比べて6分の1、と「金属瓦」は「陶器瓦」に比べて軽量に作られています。
素材も、「ガルバリウム鋼板(GL)」や「スーパーガルバリウム鋼板(SGL)」「チタン」などメーカーによって様々です。
- 軽い
- 加工が簡単
- 継ぎ目や隙間が少ない
- 耐久性が高く、メンテナンス費があまりかからない
- 費用が高い
- サビや傷などに弱い
- 防音性が劣る
- 表面温度が上がりやすい
ステンレス
「ステンレス鋼板」は、キッチンなど住宅部品で使われる「ステンレス」と同じで、鉄が主成分のクロムやニッケルを含んだ合金です。
非常に錆びにくく耐用年数がかなり長いという特徴があります。
「ガルバリウム鋼板(GL)」より耐久性があると言われていますが、屋根材としては高額で高い加工技術が必要といった理由であまり普及していません。
滋賀県にある佐川美術館の屋根は、亜鉛メッキステンレスで作られています。
「ステンレス鋼板」は、キッチンなど住宅部品で使われる「ステンレス」と同じで、鉄が主成分のクロムやニッケルを含んだ合金です。
非常に錆びにくく耐用年数がかなり長いという特徴があります。
「ガルバリウム鋼板(GL)」より耐久性があると言われていますが、屋根材としては高額で高い加工技術が必要といった理由であまり普及していません。
滋賀県にある佐川美術館の屋根は、亜鉛メッキステンレスで作られています。
- サビにくい
- 耐候性がある
- 劣化しにくい
- 軽量なので耐震性がある
- 不燃材料で燃えにくい
- メンテナンスフリーで、耐用年数50年以上と言われている
- 価格がとても高い
- 防音性、遮音性が劣る
- 表面が傷つきやすい
- 加工が難しく、工期が長め
チタン
「チタン」とは、銀灰色の金属で、天然鉱物の「チタン鉄鉱」や「ルチル」に含まれています。
1946年頃に実用化され、航空機や潜水艦、アクセサリーやスポーツ用品、腕時計や眼鏡、体内に使う医療器具などに用いられてきました。
金やプラチナと同等とされる高い耐久性があり、非常に軽く、復元力も高いと言われています。
「チタン」とは、銀灰色の金属で、天然鉱物の「チタン鉄鉱」や「ルチル」に含まれています。
1946年頃に実用化され、航空機や潜水艦、アクセサリーやスポーツ用品、腕時計や眼鏡、体内に使う医療器具などに用いられてきました。
金やプラチナと同等とされる高い耐久性があり、非常に軽く、復元力も高いと言われています。
耐久性は半永久的と言われることから、神社やお寺などの歴史的建物に適しています。メリットが多い素材ですが、加工が難しく、製造しているメーカーが少ないため金属屋根の中では最も高価な屋根材となり、一般住宅にはあまり普及していません。
- 耐食性に優れている
- 高強度
- 軽量なので耐震性がある
- 低熱容量の材料なので雪が溶けやすく、低熱伝導なので溶けた雪が凍りにくい
- 高耐候性のため、表面粗度の経年変化が少ない
- 酸性雨や潮風に対し、圧倒的な耐久性がある
- チタンは無害な金属で、金属イオンの溶出が少なく人体や環境に優しい
- 不燃認定材料として国土交通大臣許可を取得している
- 基本的にメンテナンスフリー
- 金属屋根の中で最も高価
- 硬いので加工が大変
- 比較的新しい素材のため、製造しているメーカーが少ない
- 屋根だけ耐久性が高くても、建物の寿命とバランスが取れない
- 塗装がほぼ出来ないので、素材の色が屋根の色になる
- 断熱性と防音性が低い
トタン
「トタン」は、鉄鋼に亜鉛をメッキ加工した鋼板のことで、関東大震災のあとに軽量で耐久性・防火性に優れているため、瓦の代わりに爆発的に普及しました。
現在では、トタンの代わりにガルバリウム鋼板を使ったり、他の新しい屋根材が普及したことで新築にはあまり使われなくなりましたが、工場や倉庫などで見かけるお馴染みの屋根材です。
「トタン」は、鉄鋼に亜鉛をメッキ加工した鋼板のことで、関東大震災のあとに軽量で耐久性・防火性に優れているため、瓦の代わりに爆発的に普及しました。
現在では、トタンの代わりにガルバリウム鋼板を使ったり、他の新しい屋根材が普及したことで新築にはあまり使われなくなりましたが、工場や倉庫などで見かけるお馴染みの屋根材です。
「トタン屋根」と言うと「波板」のほかに「瓦棒葺き(かわらぼうぶき)」を思い浮かべる人もいると思います。「瓦棒葺き」とは、心木と呼ばれる細い角材を屋根に打って、それに金属板を巻きつける形で留める施工です。「瓦」という字が付きますが、瓦は使用していません。
屋根の勾配が低いと「※毛細管現象」で雨が下地に入ったあとに中で水が滞留してしまうので、低勾配の屋根には滑り台のように真っすぐ下に流れる「瓦棒葺き」が向いています。
「トタン屋根」と言うと「波板」のほかに「瓦棒葺き(かわらぼうぶき)」を思い浮かべる人もいると思います。「瓦棒葺き」とは、心木と呼ばれる細い角材を屋根に打って、それに金属板を巻きつける形で留める施工です。「瓦」という字が付きますが、瓦は使用していません。
屋根の勾配が低いと「※毛細管現象」で雨が下地に入ったあとに中で水が滞留してしまうので、低勾配の屋根には滑り台のように真っすぐ下に流れる「瓦棒葺き」が向いています。
毛管現象とは・・・
液体中に細い管を立てると、管内の液面が管外よりも高くなるか低くなる現象。液体の表面張力によって生じ、水のように管壁をぬらす場合には上昇する。吸い取り紙などにみられる。毛細管現象。
goo辞書
もう一つ、「瓦棒葺き」に似ているもので「立平葺き」があります。瓦棒葺きに使う心木は腐敗することがあるため、心木を使用せず板金を折り曲げる新しい工法が考案されました。
現在では、「立平葺き」が主流となっています。
もう一つ、「瓦棒葺き」に似ているもので「立平葺き」があります。瓦棒葺きに使う心木は腐敗することがあるため、心木を使用せず板金を折り曲げる新しい工法が考案されました。
現在では、「立平葺き」が主流となっています。
- 材料費が安い
- 施工費が安い
- 軽量で建物への負担が少なく、耐震性がある
- つなぎ目が少ないので雨漏りしにくい
- 断熱性能が低い
- トタンはサビが出やすい
- 雨音がしやすい
- 定期的なメンテナンスが必要
銅板
「銅板」は、耐久性が高い金属として古くから屋根や雨樋、装飾部分などに用いられてきました。
細かな加工が可能で、曲線を美しく表現できるので
しばしば寺社仏閣の屋根に使われています。
10円玉と同じ「銅」は、始めは「赤橙色(せきとうしょく)」にピカピカ輝いています。年月が経つにつれて徐々に※緑青(ろくしょう)「褐色⇒暗褐色⇒黒褐色⇒緑青色」と変化していきます。
「銅板」は、耐久性が高い金属として古くから屋根や雨樋、装飾部分などに用いられてきました。
細かな加工が可能で、曲線を美しく表現できるので
しばしば寺社仏閣の屋根に使われています。
10円玉と同じ「銅」は、始めは「赤橙色(せきとうしょく)」にピカピカ輝いています。年月が経つにつれて徐々に※緑青(ろくしょう)「褐色⇒暗褐色⇒黒褐色⇒緑青色」と変化していきます。
緑青(ろくしょう)とは、銅が酸化することで生成される錆。青みがちな緑色をしていることから日本語ではそのように呼ばれる。
wikipediaより
- 耐久性が高く、寿命は60年以上とも言われている
- 基本的にメンテナンス不要(雨漏りの場合は、部分的に差し替え可能)
- 軽量のため、耐震性がある
- 不燃材料のため、耐火性に優れている
- 加工がしやすく、デザインに柔軟性がある
- 年月とともに色が変化していくので、趣がある
- 価格が高い
- 加工できる業者が少ない
- 酸性雨によって、穴が開きやすい
- 断熱性・防音性が低い
色々な種類の金属屋根材があるんだね!それぞれメリット・デメリットがあって、どれを選べばいいのか迷っちゃう・・・
そんなあなたに!「全ての屋根材を比較してみた」のページに、わかりやすくまとめた一覧表があるから見てみてね!
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