ここでは「スレート」について解説するよ
- 天然スレート
- 人工スレート【アスベスト有り】
- 人工スレート【アスベスト無し】
- セメント瓦【アスベスト有り】
- セメント瓦【アスベスト無し】
- 乾式コンクリート瓦
「スレート」は大きく分けて6種類あるんだね!
スレートとは
1 粘板岩の薄板。屋根葺(ふ)き材などにする。天然スレート。
2 石綿をセメントで固めた薄板。石綿スレート。屋根・天井・内外装材に用いる。「—葺き」
デジタル大辞泉より
天然スレート
明治時代に海外から輸入された「天然スレート」。
天然スレートは、粘板岩(ねんばんがん)と呼ばれる地殻変動による変成作用(高温・高圧)によってできた岩石です。薄い板状に割れやすい泥質で、屋根用に加工しやすいことが特徴です。
日本でも同じ時期に、宮城県三陸沿岸で採れる「玄晶石」という天然スレートを屋根材に使うようになりました。(玄晶石は室町時代から「すずり」や「砥石」に使われていました)
天然スレートはとても高級で、お寺や迎賓館など歴史的建造物に多く使用されています。
明治時代に海外から輸入された「天然スレート」。
天然スレートは、粘板岩(ねんばんがん)と呼ばれる地殻変動による変成作用(高温・高圧)によってできた岩石です。薄い板状に割れやすい泥質で、屋根用に加工しやすいことが特徴です。
日本でも同じ時期に、宮城県三陸沿岸で採れる「玄晶石」という天然スレートを屋根材に使うようになりました。(玄晶石は室町時代から「すずり」や「砥石」に使われていました)
天然スレートはとても高級で、お寺や迎賓館など歴史的建造物に多く使用されています。
- 石そのものの色合いや風合いを生かし、高級感や重厚感を出せる
- 割れない限り、耐久性が高い
- 高い防火性と防水性がある
- 天然の石を使っているため、価格が高い
- 施工に高度な技術が必要なので、施工費用が高額
- 重量が重いので耐震性が不安
天然スレートはとても高価なので、人工スレートが存在するよ!
人工スレート
人工スレートは、JIS名称を「住宅屋根用化粧スレート」と言います。
セメントに繊維素材などを混ぜて厚さ5ミリ程度に薄く伸ばし固め、塗料で着色した天然スレートの模造品です。
商品名で「カラーベスト」「コロニアル」「フルベスト」と呼ばれたり、天然スレートと区別するために「人工スレート」と呼ばれたり、「色彩石綿板葺き」と呼ばれたりしますが、どれも同じ「住宅屋根用化粧スレート」のことです。
人工スレートは、JIS名称を「住宅屋根用化粧スレート」と言います。
セメントに繊維素材などを混ぜて厚さ5ミリ程度に薄く伸ばし固め、塗料で着色した天然スレートの模造品です。
商品名で「カラーベスト」「コロニアル」「フルベスト」と呼ばれたり、天然スレートと区別するために「人工スレート」と呼ばれたり、「色彩石綿板葺き」と呼ばれたりしますが、どれも同じ「住宅屋根用化粧スレート」のことです。
平成30年の「フラット35住宅仕様実態調査」にて新築戸建て住宅の屋根材シェア率が報告されました。「人工スレート」と「ガルバリウム/ジンカリウム」が大体半々くらいで、全体の約7割を占めています。
平成30年の「フラット35住宅仕様実態調査」にて新築戸建て住宅の屋根材シェア率が報告されました。「人工スレート」と「ガルバリウム/ジンカリウム」が大体半々くらいで、全体の約7割を占めています。
新築戸建て住宅市場では金属と並んで主流の「人工スレート」ですが、リフォーム市場では金属の方が64.1%と圧倒的シェア率になっています。
新築戸建て住宅市場では金属と並んで主流の「人工スレート」ですが、リフォーム市場では金属の方が64.1%と圧倒的シェア率になっています。
これは、屋根のメンテナンス時に金属屋根材に変える(カバーする)人が増えているからではないかと考えられます。
アスベスト有り
1961年(昭和36年)、旧クボタがカラーベストの「コロニアル」を商品化しました。1971年(昭和46年)には、旧松下電工が「フルベスト」の販売を始めました。
アスベストが問題視される2004年まで、強度を上げるため「石綿(アスベスト)」を入れて作っているものが多くありました。
アスベストが入っているか、どうやって見分けたらいいんだろう?
やねかべマイスターでは、屋根材の形状や築年数をまとめたリストと照らし合わせて判断します
社長の横山は「一般建築物石綿含有建材調査者」の資格を持っています。
長年の経験と併せてアスベストの含有を判断することが出来ますので、安心してお任せください。
社長の横山は「一般建築物石綿含有建材調査者」の資格を持っています。
長年の経験と併せてアスベストの含有を判断することが出来ますので、安心してお任せください。
アスベスト無し
「アスベスト有り」から「アスベスト無し(ノンアスベスト)」への切り替え時期となった2000年頃(平成12年)、アスベストを抜いて作られた一部の人工スレートは強度がとても低くなってしまいました。
これらのスレートは、築8~10年位すると、無数のひび割れや大きな欠けが目立つなどの不具合が報告されています。
「アスベスト有り」から「アスベスト無し(ノンアスベスト)」への切り替え時期となった2000年頃(平成12年)、アスベストを抜いて作られた一部の人工スレートは強度がとても低くなってしまいました。
これらのスレートは、築8~10年位すると、無数のひび割れや大きな欠けが目立つなどの不具合が報告されています。
下記はその代表的な製品です。
製品名 | メーカー | 製造期間 |
---|---|---|
コロニアルNEO | クボタ | 2001年~現在は製造中止(明確な年月不明) |
アーバニーグラッサ | クボタ | 2001年~2005年 |
ザルフグラッサ | クボタ | 2001年~2005年 |
レサス | 松下電工 | 1999年~2006年 |
シルバス | 松下電工 | 2001年~2003年 |
セキスイかわらU | 積水屋根システム | 1990年~2007年 |
これらの製品は、屋根材自体が劣化=寿命を迎えてしまっているので、塗装をしても表面の剥離を止めることは出来ません。※物件によって劣化症状が異なるので、塗装出来るかどうかはお問い合わせください
いくつかあったノンアスベスト不具合の中で、最も被害が顕著だったのがニチハ(株)の「パミール」です。
表面がめくれたり、欠けたり、そってしまったり、先端がミルフィーユ上に劣化して層間剥離を起こしたりします。
この製品は1990年(平成2年)に発売され、1996年(平成8年)にマイナーチェンジを行い、2008年まで製造されていました。
いくつかあったノンアスベスト不具合の中で、最も被害が顕著だったのがニチハ(株)の「パミール」です。
表面がめくれたり、欠けたり、そってしまったり、先端がミルフィーユ上に劣化して層間剥離を起こしたりします。
この製品は1990年(平成2年)に発売され、1996年(平成8年)にマイナーチェンジを行い、2008年まで製造されていました。
1996年(平成8年)、世の中はちょうどノンアスベストの切り替え時期となっていたため、「パミール」もアスベスト→ノンアスベストのせいで不具合が出たとされていますが、ニチハのHPによると、ニチハは1981年(昭和56年)5月にすでに「無石綿化」を宣言しており、パミールはマイナーチェンジ前からアスベスト無しで作られていたそうです。
つまり「パミール」はノンアスベスト問題とは無関係・・・ということだよね?
マイナーチェンジのタイミングが1996年なのは偶然なのかな?
アスベスト問題後に作られたスレート
スレートを作っているメーカーはいくつかありますが、スレート市場のシェア率は「ケイミュー株式会社」がほぼ独占していると言われています。
ノンアスベスト問題が起こった2008年以降に作られた「人工スレート」は発売から約15年経ちましたが、今のところ不具合の報告はありません。
- 価格が安い
- 軽量で耐震性が高い
- 防火性に優れている
- 施工できる業者が多い
- 工期が短い
- カラーバリエーション、デザインが豊富
- 気候や人の重さでひび割れしやすい
- 劣化しやすい(退色、滑落)
- コケやカビが生える
- 冷害に弱いので、寒冷地には不向き
- 定期的な補修や、10~15年程度を目途に塗装などのメンテナンスが必要
セメント瓦【アスベスト有り/無し】
「セメント瓦」とは、セメントと川砂を混ぜて型に入れて成形し、塗装したものを言います。
「瓦」と名前が付きますが、焼いていないので、瓦ではなく「人工スレート」の分類です。
「セキスイかわらU」は「パミール」同様、ノンアスベストにしたことで脆弱性が指摘される屋根材ですが、ノンアスベストになる前はアスベストが入っていたので、アスベストの含有は調べてみないとわかりません。
「セメント瓦」とは、セメントと川砂を混ぜて型に入れて成形し、塗装したものを言います。
「瓦」と名前が付きますが、焼いていないので、瓦ではなく「人工スレート」の分類です。
「セキスイかわらU」は「パミール」同様、ノンアスベストにしたことで脆弱性が指摘される屋根材ですが、ノンアスベストになる前はアスベストが入っていたので、アスベストの含有は調べてみないとわかりません。
第二次世界大戦中に石綿の配給が止まった時、「アスベスト入りセメント瓦」の代わりとして石綿を使わない「厚型スレート」が作られました。
セメントに水や骨材を混ぜ、型枠で高圧プレス成型し、塗装して作ります。高圧でプレスするため、製造会社によっては「プレスセメント瓦」と呼びます。
通常のスレートの厚さは5ミリ程ですが、「厚形スレート」の場合は通常の3倍=15ミリ程にします。密度を高めることと厚みを増すことで強度を出しています。
第二次世界大戦中に石綿の配給が止まった時、「アスベスト入りセメント瓦」の代わりとして石綿を使わない「厚型スレート」が作られました。
セメントに水や骨材を混ぜ、型枠で高圧プレス成型し、塗装して作ります。高圧でプレスするため、製造会社によっては「プレスセメント瓦」と呼びます。
通常のスレートの厚さは5ミリ程ですが、「厚形スレート」の場合は通常の3倍=15ミリ程にします。密度を高めることと厚みを増すことで強度を出しています。
「セメント瓦」「厚型スレート(プレスセメント瓦)」は現在、陶器瓦との価格差があまりなくなり耐久性も劣るため生産中止となっています。
樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦
「セメント瓦」は現在製造されていませんが、次世代のセメント瓦としてケイミュー株式会社から「ルーガ」が発売されています。「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」と呼ばれ、瓦の重厚感はそのままに、重量を1/2以下に軽量化。強い衝撃でも割れにくい特徴がある瓦です。
「セメント瓦」は現在製造されていませんが、次世代のセメント瓦としてケイミュー株式会社から「ルーガ」が発売されています。「樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦」と呼ばれ、瓦の重厚感はそのままに、重量を1/2以下に軽量化。強い衝撃でも割れにくい特徴がある瓦です。
- 瓦より軽い
- 地震に強い
- 衝撃に強い
- 雨水に強く、雨漏りしにくい
- 乾式工法で風や台風に強い
- 金属屋根に比べて割れやすい
- 金属屋根より重い
- 裏打ち断熱が無いため、断熱効果が少ない
- 他の屋根材に比べて高額
乾式コンクリート瓦
1970年~1980年頃に流行した「乾式コンクリート」は、セメントと水と骨材を混合し、押し出し成形したのち、「着色セメントスラリー塗装」と「クリアー塗装」を施し養生した瓦のことを言います。「モニエル瓦」「パラマウント瓦」「スカンジア瓦」などメーカーによって呼び名が変わりますが、これらは全て乾式コンクリート瓦です。
「セメント瓦」と「乾式コンクリート瓦」の違いは、瓦の淵で見分けます。淵が滑らかなのが「セメント瓦」、凹凸がありギザギザしているのが「乾式コンクリート瓦」と言われています。
1970年~1980年頃に流行した「乾式コンクリート」は、セメントと水と骨材を混合し、押し出し成形したのち、「着色セメントスラリー塗装」と「クリアー塗装」を施し養生した瓦のことを言います。「モニエル瓦」「パラマウント瓦」「スカンジア瓦」などメーカーによって呼び名が変わりますが、これらは全て乾式コンクリート瓦です。
「セメント瓦」と「乾式コンクリート瓦」の違いは、瓦の淵で見分けます。淵が滑らかなのが「セメント瓦」、凹凸がありギザギザしているのが「乾式コンクリート瓦」と言われています。
「防水層が15年ほどでほぼ消失してしまう」「専用塗料で塗り替えが必要」とメンテナンスが難しい「乾式コンクリート瓦」は、現在では生産中止となっているそうです。
- 防水性と断熱性が高い
- 社音声や防音性に優れている
- デザインが豊富
- 重量が重い
- 防水層である「ヒラリー層」は15年ほどでほぼ消失する
- 塗膜剥離が起こりやすいため、専用塗料での塗り替えが必要
もしお家が「乾式コンクリート瓦」」だった場合、専用塗料で塗装をしないと屋根材を痛めてしまうので気を付けよう
人工スレート屋根のメンテナンス方法については、「屋根メンテナンス」のページをご覧ください。
あわせて読みたいおすすめ記事